漢方では診断のことを「証」と呼ぶ。
例えば葛根湯で改善する病態を「葛根湯証」と診断する。
他覚的所見は用いず、患者の自覚症状と「四診」を併せて証を決定する。
日本では、医師免許さえあれば漢方を処方することが出来る。
実証にはいらないものを取り去る。虚証には足りないものを足す。
気虚、とは生命エネルギーとしての気が量的に不足した病態。例えば、食べた後ものすごく眠くなるとか。代表的な処方は補中益気湯、四君子湯。実際に今コロナウイルスにかかりたくないという方にこれを飲んでいる方が多く、これらの薬は品薄になっている。気滞、とは気のめぐりが悪くなって滞った病態。例えば、おならがよくでる、息苦しい感じである。代表的処方は半夏厚朴湯、香蘇散である。
血虚、とは値が量的に不足した状態である。基本的処方は四物湯、十全大補湯である。
お血とは、月経異常など、血の流れが滞った病態である。桃核承気湯、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸がよく使われる。血の巡りを良くし、婦人科でよく処方される。
水滞は水の失調であらわれる病態で、五苓散が代表的処方である。
五臓とは肝・心・脾・肺・腎のことである。心は心臓だけでなくこころの状態も含む。
四診とは、望(ぼう)・聞(ぶん)・問(もん)・切(せつ)の4つである。
望診は見た目、聞診は聴覚と嗅覚による診察、問診は話を聞く、切診は手で直接触れる診察である。
大建中湯は便通を改善する。おなかが冷えて痛むもの(下腹部痛、腹部膨満感)に効能、効果を示す。また、開腹術後の麻痺性イレウスに対する予防効果について多数報告されている。
更年期の女性に多い症状で、顔のほてり、末端の冷え性、イライラには抗不安薬や睡眠剤がしばしば処方される。加味逍遥散はこうしたイライラやのぼせ感、不眠、疲れやすさ、更年期障害や月経困難症を持った患者に有効である。
女性の三大処方は、
加味逍遥散:気血両虚の人に(子育て中の女性に)
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):お血、貧血の人に(更年期、高齢の女性に)
と言われている。他、女神散もある。
抑肝散は、イライラ、子どもの夜泣き、落ち着かない、腹痛に用いられる。「肝」は怒りの感情と関連している。認知症患者のBPSDを緩和する薬としても頻用されている(RCTで効果は証明済み)。
老化による体全体の衰えをフレイル、サルコペニア、漢方では腎虚と呼ばれる。
腎虚とは、排尿障害や浮腫だけでなく、腰痛、かすみ目、聴力低下や耳鳴り、皮膚の乾燥やかゆみ、毛髪が細くなったりつやがなくなる高齢者の症状を広く含む。こうした腎虚には、八味地黄丸を処方する。腎全体に対する滋養が含まれている。
感冒の初期(汗をかいていないもの)には葛根湯の処方が有効。
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漢方・・・授業だとうまくいった症例しか聞かないけど、現実で人から聞いた話だと「効いてるか効いてないかわからない」とか「ずっと飲んでるけど全然効いてない」とか悪い話しか聞かない・・・。よくわからない。もうちょっと勉強したいなって思った。おわり。