ほかほかごはん

寒い地方の医学部です 食べ物はラーメンが好きです たまに絵を描きます

休日、読書

1年半の長い長い実習がようやく終わった。

昨日は総括のテストがあって、今日からようやく春休み。

今日は久々にのんびりした一日を過ごした。

 

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買ったまま読めてなかった本を読んだ。どっちも精神科関連の本。

 

リエゾン』は、最近ドラマ化していて、その影響もあってか、本屋さんではどこも軒並み売り切れ。ドラマ化の前、5巻まで中途半端に買ってたのが仇となり、紙派だけど結局Kindleで集めることに…。(謎に11巻だけ1冊売れ残ってたので買った)。

11巻は発達障害者の就活・仕事の話。精神科医の漫画で『Shrink』という別の作品でも就活の問題については取り上げられてたけど、『リエゾン』では、発達障害者の「普通になりたい」という葛藤、不安、焦燥が書かれていた。就活で何度も不採用通知を受けたり、バイト先で皿洗いしかさせてもらえなかったり、でもそれらは全部きっと残酷な現実で、読んでいてつらかった。

「普通になりたい」「出来ないことから逃げちゃダメ」という苦悩に対して、「私は修一くんの経験した辛さはきっと、わからないけど」と前置きした上で、「でもそれって、修一くんが本当にやりたかったことなの?」という主人公のアンサーが良かった。

仕事をする上で、長続きする条件3つ①苦手なことは避ける②特性を活かせる場所を選ぶ③合理的配慮の有無も勉強になった。

他の巻でも、家族に希死念慮を持つ人がいた場合の接し方、子供の性教育、習い事の問題など、たくさん勉強になる内容があった。とてもいい漫画だけど、これがとても今売れてるってことは、それだけ多くの人がこういった問題に悩みや関心を抱いてる人がいっぱいいるんだろうなと思った。でも漫画をきっかけにして、理解が広がれば、良いことだと思う。

 

『妻はサバイバー』は朝日新聞記者の夫が書いた、精神疾患を患った妻の闘病の様子を書いた作品。

奥さんは幼少期のトラウマ、成人してからの性的トラウマをかかえていて、その逆境体験を背景に摂食障害リストカットアルコール依存症に至った。介護者の旦那さん(作者)の生活は壮絶で、身体的にも精神的にも消耗していた。

作者が最後に書いている、「精神障害者にとっての障壁は、差別感情だ」という一文にはとても共感できた。「精神障害者はよくわからなくて怖いから閉じ込めよう」という健常者の感情は、よくわからない怖さから来てるものだ。

イタリアは精神科病院がないと聞いたことがある。もちろんデメリットはあるが、健常者の差別感情を無くす上では一番手っ取り早い方法だろう。授業で、イタリアに研修に行った先生が、興味で「患者が暴れた時どうしてるの?」とイタリアの精神科医に聞いたら、「一緒に取っ組み合いのケンカをして、傷だらけになって、そんな感じ」と返ってきたらしい。ほう……。

本にも書かれてるが、そういう精神障害者への差別感情は、精神障害者当人の偏見への恐れ、受診の遅れにつながる。生活保護が必要な人が受給を躊躇う理由も同じ。早急に医療や福祉が必要な人への対応が遅れてしまう。

日本はまだまだ精神障害者生活保護者への差別感情が根付いているカルチャーがあるけど、少しずつその敷居が低くなればいいなと思う。

さっきの漫画『Shrink』や『リエゾン』でも、仕事先に「自分の取扱説明書」を作って職員に共有してもらう、という話があった。この人はどういうふうに接すればいいのかな、というのがわかれば健常者の人も無意識に相手を傷つけたり、イライラしたりすることがなくなって、とても良いと思った。

 

大した感想じゃないけど、そんな感じで本が読めて楽しい休日でした。

 

明日からは1泊2日で尊敬する先生と遠足(!?)に行くことに、、。緊張するけど頑張る!そして早く寝る!