ほかほかごはん

寒い地方の医学部です 食べ物はラーメンが好きです たまに絵を描きます

映画「君たちはどう生きるか」酷評※ネタバレあり

タイトル通り観てきました。ネタバレありです。

 

私は小説の「君たちはどう生きるか」が大好きなので、どのように映像の世界であの作品が表現されるのか、しかも製作がジブリということでとても楽しみでした。

観終わって、愕然としました。まず小説と全く違う物語だったのもショックだったし、小説をリスペクトしているのならまだしも、出てきたのは死んだ母親の主人公へのメッセージが書き込みされている原作小説を主人公が手に取り、読んで感動して涙を流しただけ。しかも泣いているシーンは、コペルくん達がナポレオンの話を友達のお姉さんから聞いた帰りにおじさんの車に乗っているシーンのところ。なぜ主人公はそこを読んで感動したの?意味がわからない。

なぜこの映画のタイトルを小説「君たちはどう生きるか」から取ったのか。何か小説と通ずる共通点が映画の中にあったのか。小説のストーリーの核は、私は「コペルくんが自分の弱さを認め、反省して正直に謝ったことが成長につながった」所だと思っています。それに対し、映画は「死んだ母親との別れを受け入れ、新しい母親と仲直りして前に進んだ」話だったと思います。確かに、主人公の成長という面では合っています。

ただ、主人公の成長とというストーリーはどんな作品にもよくあるものですし、特異的な共通点かというとそうではないと思います。私は、原作小説の、優しくて厳しいおじさんの存在や、コペルくんがその優しさから自分の醜さに毎日涙を流すシーンが好きで、そういった特徴的な所があの映画にも取り入れられていたかというと、全く別の作品だったように感じます。

このタイトルでやる意味があったのか、私には宮崎監督の意思がわかりませんでした。違うタイトルだったらまた評価が変わっていたかもしれません。

 

次の日、映画にうなされたせいで熱が出ました…。